産廃運搬車に積む書面|許可証の写しは何をどこまで積むのか

車両・現場

助手席に分厚いファイルが積んである。中身は許可証のコピーと契約書の束。運転手に聞いても「何が入っているかは知らない」。

産廃を運ぶ車には、書面の備付け義務があります。ただ、何をどこまで積むのかが曖昧なまま「とりあえず全部」になっている現場が多い。

必要なものと、不要なものをはっきりさせます。

結論

収集運搬業者が運搬車に備え付けるのは、この2つです。

積むもの 原本か写しか
産業廃棄物収集運搬業の許可証 写しでよい
その運搬に係る委託契約書 写しでよい

これに加えて、運搬中はマニフェストを携帯します(紙の場合)。電子マニフェストなら、登録した旨を確認できる状態であれば足ります。スマートフォンでJWNETの画面を表示できればそれで構いません。

原本を積む必要はありません。 むしろ積むべきではありません。雨で濡れる、紛失する、盗難に遭う。許可証の原本を再発行してもらう手間を考えれば、写し一択です。

「とりあえず全部」にしない

許可証は「どの県の分」を積むのか

ここが一番混乱するところです。

産業廃棄物の収集運搬業の許可は、積む場所(積込地)と降ろす場所(荷下ろし地)、それぞれの都道府県のものが必要です。逆に言うと、間を通過するだけの県の許可は要りません。

例えば兵庫から積んで岡山で降ろすなら、必要なのは兵庫県と岡山県の許可です。途中で大阪を経由しても、大阪府の許可は要りません(積み下ろしをしない限り)。

したがって車に積む許可証の写しも、その運搬に関係する自治体のものがあれば足ります。持っている許可を全部コピーして積む必要はありません。

委託契約書は「その運搬の分」

契約書も同じ考え方で、いま運んでいる荷物に対応する契約書の写しがあれば足ります。

ただし現実には、1台で複数の現場をまわります。その日にまわる現場の契約書は全部必要になるので、結果として束になります。ここは仕方がない部分です。

なお、収集運搬と処分は別々に契約を結ぶのが原則です(二者間契約の原則)。処分業者を介した一括の契約書は認められません。

自社運搬の場合に積むもの

自社の廃棄物を自分で運ぶ場合、許可証も委託契約書も存在しません。代わりに、次を記載した書面を備え付けます。

  • 氏名または名称、住所
  • 運搬する産業廃棄物の種類と数量
  • 積載した日
  • 積載した事業場の名称・所在地・連絡先
  • 運搬先の事業場の名称・所在地・連絡先

決まった様式はありません。自治体がひな形を出していることが多いので、管轄のサイトを見てみてください。自社運搬の考え方そのものは自社運搬と収集運搬業の違いで整理しています。

現場ではこうなっている

書面の指摘で圧倒的に多いのが、これです。

★ 許可証の写しが、更新前の古いものになっている。

許可を更新すると、許可証は新しいものに差し替わります。ところが車に積んである写しは、更新前のまま。日付を見れば有効期限が切れています。

検査する側から見ると、その場では「期限切れの許可証を積んでいる車」にしか見えません。実際には有効な許可があるので違反にはなりませんが、その場で説明が必要になり、余計な時間を取られます。

5年に一度しかないイベントなので、更新したら全車の写しを差し替えるという作業が抜け落ちます。更新作業の最後のチェック項目に入れておくべきものです。

そのほか、よくあるのがこのあたりです。

  • ファイルが厚くなりすぎて、運転手が必要な1枚を出せない
  • 契約書が更新されたのに、車のファイルは古い契約書のまま
  • コピーが薄くて許可番号が読めない
  • 座席の下に押し込まれていて、濡れてふやけている

対策としては、現場ごとにインデックスを付ける、許可証だけは1枚目に固定するあたりが効きます。検査のとき、最初に出すのは許可証です。

<!– 現場メモ用:立入検査で実際に何をどう見られたか、あれば具体的にここへ –>

許可証が古いまま

よくある間違い

❌ 原本を積まないといけない
写しで構いません。原本は事務所で保管してください。

❌ 持っている許可証は全部積む
その運搬に関係する自治体の分だけで足ります。

❌ 通過する県の許可も要る
要りません。積み下ろしをする県だけです。ただし積替保管をする場合は、その場所の許可が必要になります。ここは積替保管なしの許可で一旦置くとどうなるかを見てください。

❌ 電子マニフェストだから何も積まなくていい
許可証と契約書の写しは電子マニフェストでも必要です。不要になるのは紙のマニフェストだけです。

積み下ろしをする自治体だけ

まとめ

  • 積むのは許可証の写しと、その運搬に係る委託契約書の写し
  • 原本は不要。むしろ積まない
  • 必要なのは積込地と荷下ろし地の自治体の許可。通過県は不要
  • 自社運搬は、種類・数量・積載日・積込先・運搬先を書いた書面
  • 更新のたびに、全車のファイルを差し替える

※制度は改正されることがあります。実際の申請前に管轄自治体の最新の要綱をご確認ください。

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