「140ポイント以上」と言われても、現場で定規を当てて確かめようがない。業者に頼んだマグネットシートが本当に基準を満たしているのか、誰も測っていない。
これ、立入検査で実際に指摘される項目です。しかもその場で直せないので、後日報告になります。
ポイントを実寸に直してしまえば簡単なので、整理します。
結論
車体の両側面に、見やすいように次を表示します。
| 表示する内容 | 文字の大きさ | 実寸に直すと |
|---|---|---|
| 産業廃棄物の収集運搬車である旨 | 140ポイント以上 | 約5cm角以上 |
| 氏名または名称 | 140ポイント以上 | 約5cm角以上 |
| 許可番号(下6桁以上) | 90ポイント以上 | 約3.2cm角以上 |
1ポイントは約0.3528mmです。計算すると、140ポイント=49.4mm、90ポイント=31.75mmになります。定規を当てて、文字の縦が5cm以上あればまず大丈夫、と覚えてしまうのが実務的です。

「産業廃棄物の収集運搬車である旨」とは何と書くのか
条文は「その旨」としか書いていないので、文言が決め打ちされているわけではありません。実際には次のどれかが使われます。
- 産業廃棄物収集運搬車
- 産業廃棄物収集運搬車両
- 産業廃棄物
シンプルに「産業廃棄物収集運搬車」としておけば、どこで検査を受けても問題になりません。凝る場面ではないので、素直に書くのが正解です。
許可番号は「下6桁以上」でいい
許可番号は自治体ごとに11桁で振られますが、表示は下6桁以上あれば足ります。
下6桁は全国で共通の番号なので、複数の都道府県の許可を持っていても、表示するのは1つで済みます。兵庫と大阪と京都の許可を持っているから3つ並べなければ、ということにはなりません。
ここを知らずに、許可を取るたびに番号を足していって、シートが番号だらけになっている車をときどき見かけます。
自社運搬のときはどうなるか
自分の会社から出た廃棄物を自分で運ぶ「自社運搬」の場合、収集運搬業の許可は要りませんが、表示義務はあります。
| 収集運搬業者 | 自社運搬 | |
|---|---|---|
| 産業廃棄物である旨 | 必要(140pt) | 必要(140pt) |
| 氏名・名称 | 必要(140pt) | 必要(140pt) |
| 許可番号 | 必要(90pt) | 不要(許可がないため) |
「許可が要らない=何も貼らなくていい」ではありません。ここは誤解が多いところです。詳しくは自社運搬と収集運搬業の違いで整理しています。
現場ではこうなっている
表示で指摘を受けるパターンは、だいたい決まっています。
① 片側だけ剥がれている
マグネットシートは高速道路で飛びます。洗車のあとに貼り忘れることもあります。条文は「両側面」なので、片側だけだと違反です。出庫前の点検項目に入れてしまうのが確実です。
② 業の種類まで書いていない
車両表示に必要なのは上の3つですが、書面の備付けとセットで見られます。表示は合っているのに書面が積んでいなくて指摘、というのが一番多い組み合わせです。車両に備え付ける書面も合わせて確認してください。
③ 文字色が車体に溶けている
条文には「見やすいように」とあります。白い車体に薄いグレーの文字、濃紺の荷台に黒文字。サイズは満たしていても、これは指摘されます。
④ 借りた車・応援に出した車
繁忙期に他社から車を借りたとき、表示が前の会社のままになっている。これは表示義務違反というだけでなく、名義の問題にもなります。
<!– 現場メモ用:表示まわりで実際にあった指摘や、シートの運用の工夫があればここへ –>
マグネットかステッカーか
現場の判断としては、こうなります。
| マグネットシート | ステッカー(貼り付け) | |
|---|---|---|
| 車を入れ替えたとき | 付け替えられる | 貼り直し |
| リース車・返却前提 | 向いている | 向かない |
| 飛散 | 飛ぶことがある | 飛ばない |
| 盗難・いたずら | 外される | されにくい |
| 車体が鉄でない場合 | 付かない | 付く |
アルミバンや樹脂パネルの車にマグネットが付かない、というのは意外と見落とされます。発注前に、貼る面が鉄かどうかだけは確認してください。


まとめ
- 両側面に、産業廃棄物収集運搬車である旨と氏名を140ポイント(約5cm)以上
- 許可番号は90ポイント(約3.2cm)以上、下6桁以上でよい
- 複数県の許可があっても、表示する番号は1つでいい
- 自社運搬でも表示は必要。許可番号だけ不要
- 出庫前に「両側とも貼ってあるか」を点検項目に入れる
※制度は改正されることがあります。実際の申請前に管轄自治体の最新の要綱をご確認ください。
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次に読むなら
- 立入検査で実際に見られるところ|当日までに揃えておく
見られるのは車・書類・保管場所の3つ。指摘の大半は「更新後に差し替えていない」「片側だけ」といった、知っていれば防げるものです。
- 産廃運搬車に積む書面|許可証の写しは何をどこまで積むのか
運搬車に備え付けるのは許可証の写しと委託契約書の写し。原本は要りません。通過するだけの県の許可証も要りません。実務の線引きを整理します。
- 措置命令が出るまでに何が起きているか|ある日いきなりではない
不法投棄が見つかってから命令が出るまでには段階があります。どこで止められるのか、何を見られるのかを順に追います。
許可の更新期限、把握していますか
産業廃棄物の許可は5年で切れます。更新申請の受付は期限の3か月前からのことが多く、窓口が予約制の自治体では直前だと2〜3週間先まで埋まっています。
許可証の有効年月日を入れるだけで、いつ動き始めればいいかが分かります。入力した内容はどこにも送信されません。
現場へ行く前に、その1件の利益が分かります
住所と廃棄物を入れると、燃料・高速・車両費・人件費・処分費を引いた手元に残る額を計算します。いくらで見積もればいいかも出ます。


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