運んだ荷物の処分は、とっくに終わっているはずなのにD票が返ってこない。処分場に電話すると「もう送りました」と言われる。排出事業者からは「まだ届いていない」と催促が来る。
この板挟みは、収集運搬をやっていれば必ず経験します。
結論から言うと、放置するのが一番まずいです。期限を過ぎると、排出事業者に「役所への報告」という新しい義務が発生します。運搬業者にとっても他人事ではありません。
結論
- D票の返送期限は、マニフェストの交付日から90日以内
- 特別管理産業廃棄物は、より短く 60日以内
- E票(最終処分終了)は 180日以内
- 期限を過ぎても届かない場合、排出事業者は30日以内に都道府県知事へ「措置内容等報告書」を提出しなければならない
- 起算日は「処分が終わった日」ではなく 「マニフェストを交付した日」
この最後の1点を勘違いしている人が本当に多いです。

票の種類と、誰のところへ戻るのか
紙マニフェストは7枚複写です。どの票が誰の手元に残り、どの票が戻ってくるのかを整理します。
| 票 | 誰が持つ/どこへ戻るか | 期限 |
|---|---|---|
| A票 | 排出事業者が交付時に保管 | - |
| B1票 | 運搬業者の控え | - |
| B2票 | 運搬終了後、運搬業者から排出事業者へ返送 | 90日 |
| C1票 | 処分業者の控え | - |
| C2票 | 処分終了後、処分業者から運搬業者へ返送 | - |
| D票 | 処分終了後、処分業者から排出事業者へ返送 | 90日 |
| E票 | 最終処分終了後、処分業者から排出事業者へ返送 | 180日 |
運搬業者が返すのはB2票、処分場が返すのがD票とE票です。D票は運搬業者の手を通りません。 だから「うちは関係ない」と思いがちなのですが、排出事業者から見れば窓口は運搬業者です。実務上、間に入って処分場に催促するのは運搬業者になります。
90日を過ぎたら、排出事業者は何をするのか
期限内に票が返ってこないとき、排出事業者は次の2つをやる必要があります。
- 廃棄物の行方を確認し、生活環境の保全上の支障が出ないよう必要な措置を講じる
- 30日以内に、都道府県知事へ「措置内容等報告書」を提出する
「措置内容等報告書」というのは、「期限までに票が戻ってこなかったので、こう確認して、こう対応しました」という内容を役所に出す書類です。様式は自治体のサイトで配布されています。
これを怠ると、報告義務違反として行政指導の対象になり得ます。何より、役所に「ここは管理ができていない事業者だ」と認識されるのが痛い。立入検査の頻度にも、次の更新のときの空気にも効いてきます。
現場ではこうなっている
返ってこない原因は、実は不正処理より事務処理のつまずきが圧倒的に多いです。
- 処分場の事務担当が月末にまとめて処理していて、単純に遅れている
- 排出事業者の住所・部署名が変わっていて、返送先に届かず戻ってきている
- 現場で票を渡し忘れ、運転席のバイザーに挟まったままになっている
- 排出事業者側がB2票が届いたことでD票も届いたと思い込んでいる(票の色が似ている)
最後のパターンは、実はけっこうあります。「届いていない」と言われて処分場に確認したら、ちゃんと送られていて、事務所の別のファイルに綴じられていた、というやつです。
だから、催促する前にまず排出事業者側にもう一度探してもらう。これだけで半分くらいは解決します。
そしてもう一つ。運搬業者が間に入ったほうが早く片付きます。 排出事業者と処分場は直接のやり取りが少なく、担当者の顔も知らないことが多い。毎日荷物を持ち込んでいる運搬業者が「あの日のD票、まだ出てないみたいです」と一言言うのが、結局いちばん速い。
<!– 現場メモ用:ここに「実際にこういうことがあった」という話を1つ入れると強くなります –>

よくある間違い
❌ 90日は「処分が終わった日」から数える
違います。交付日からです。処分に日数がかかる廃棄物ほど、気づいたときには残り日数が少ない。
❌ 返ってこないのは処分場の責任だから、排出事業者は待っていればいい
違います。報告義務は排出事業者にあります。廃棄物は渡したら終わりではない、というのが排出事業者責任の考え方です。
❌ 電子マニフェストなら期限の話は関係ない
関係あります。電子マニフェスト(JWNET)でも、処分終了報告が期限内に登録されなければ同じく報告が必要です。ただ、電子の場合はシステム側が期限を教えてくれるので、気づかないまま過ぎることがないのが大きな違いです。紙で管理が苦しくなってきたなら、電子への切り替えを検討する価値があります。
❌ とりあえず「返ってきたことにして」処理する
論外です。マニフェストの虚偽記載は罰則の対象で、許可そのものに関わります。

まとめ
- D票・B2票は交付日から90日、特別管理産業廃棄物は60日、E票は180日
- 起算日は交付日。処分終了日ではない
- 期限を過ぎたら、排出事業者が30日以内に「措置内容等報告書」を都道府県へ
- 原因の多くは不正ではなく事務の遅れや行き違い。まず両者に探してもらう
- 運搬業者が間に入るのが、結局いちばん早く片付く
マニフェストの交付義務がどこまで及ぶかは自社運搬と収集運搬業の違いで、運搬中に携帯するものは産廃運搬車に積む書面で整理しています。
※制度は改正されることがあります。実際の申請前に管轄自治体の最新の要綱をご確認ください。
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産業廃棄物の許可は5年で切れます。更新申請の受付は期限の3か月前からのことが多く、窓口が予約制の自治体では直前だと2〜3週間先まで埋まっています。
許可証の有効年月日を入れるだけで、いつ動き始めればいいかが分かります。入力した内容はどこにも送信されません。
現場へ行く前に、その1件の利益が分かります
住所と廃棄物を入れると、燃料・高速・車両費・人件費・処分費を引いた手元に残る額を計算します。いくらで見積もればいいかも出ます。

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