乾電池の処分費はなぜ高いのか|行き先が限られている

車両・現場

事業所から出る乾電池。量としては大したことがないのに、見積を見ると桁が違います。

「電池くらいで、なぜこんなに」と言われます。理由は単純です。行き先が、ほとんど無いからです。

結論

  • 事業活動から出た乾電池は産業廃棄物。自治体の回収には出せない
  • 処分費は他の品目と比べて桁が違う(数倍〜10倍近いことも)
  • 高い理由は処理できる施設が限られているから
  • 特に水銀を含むものは、国内の行き先が実質的に1か所に集約されている

なぜ高いのか

処理の手間ではなく、行き先の数の問題です。

普通の廃棄物なら、受けてくれる施設が複数あります。競争があるので値段が落ち着く。乾電池にはそれがありません。

特に水銀を含むものは、国内で処理できる施設がほとんど無い。北海道北見市にある野村興産のイトムカ鉱業所が、水銀のリサイクル処理の中心的な施設として知られています。ここは広く公開されている話で、調べればすぐ分かります。

つまり、

兵庫から出た電池が、北海道まで行く。

運賃がそのまま処分費に乗ります。距離が値段の正体です。

高いのは手間ではない

水銀が入っているのはどれか

誤解が多いところです。

種類 水銀
アルカリ乾電池・マンガン乾電池 1990年代以降は水銀ゼロ使用が主流
ボタン電池の一部 含むものがある(酸化銀電池・空気亜鉛電池など)
水銀電池 製造終了。古い機器から出てくることがある
蛍光灯・水銀灯 含む
水銀体温計・血圧計 含む

今の乾電池のほとんどは水銀ゼロです。それでも処分費が高いのは、選別の手間と行き先の少なさが残るからです。

そして、古い機器を片付けた日がいちばん危ない。倉庫の奥から出てきた機器に、水銀電池や水銀式の計器が入っていることがあります。

水銀が入っているのはどれか

現場ではこうなっている

「電池も一緒に」と言われて断れないのが実情です。

事務所の片付けで出た雑ごみの中に、乾電池が混ざっている。量は少ない。断るほどでもない。そのまま積んでしまう。

しかし積んだ時点で、

  • 取扱品目に入っていなければ、無許可運搬になりうる
  • 処分場で受けてもらえず、持ち帰ることになる
  • 持ち帰っても、自社に行き先がない

「これは受けられない」と言われるもので書いた構造が、そのまま当てはまります。

だから、積む前に分ける。 そして電池だけは別に見積を取る。混ぜて「一式いくら」にすると、あとで必ず揉めます。

<!– 現場メモ用:電池の見積や受け入れ先で困った話があればここへ –>

排出事業者にどう説明するか

「高い」と言われたときに、理由を説明できると話が早くなります。

処理の手間が高いのではなく、持っていける場所が国内にほとんど無いので、そこまでの距離が値段になっています。

これで納得されることが多い。ぼったくりではなく、構造の問題だと伝わるからです。

そのうえで、

  • 分けて出してもらえば安くなる(混ざると全部が高い扱いになる)
  • ボタン電池と乾電池を分けてもらう
  • 古い機器から外したものは別にしてもらう

この3つを頼むと、実際に費用が下がります。

積む前に分ける

まとめ

  • 事業系の乾電池は産業廃棄物。自治体の回収には出せない
  • 高いのは手間ではなく、行き先が少ないから
  • 水銀を含むものは、国内の処理が1か所に集約されている
  • 今の乾電池のほとんどは水銀ゼロ。ただしボタン電池と古い機器は要注意
  • 積む前に分ける。電池だけ別に見積を取る

充電池(リチウムイオン)はまったく別の危険があります。リチウムイオン電池が混ざると何が起きるかと見分け方をご覧ください。

3種類の電池の違いは産廃の電池は3種類で考えるにまとめています。

※費用や受け入れ先は地域・時期により異なります。実際の処理は必ず事前に処分先へご確認ください。

NEXT

次に読むなら

許可の更新期限、把握していますか

産業廃棄物の許可は5年で切れます。更新申請の受付は期限の3か月前からのことが多く、窓口が予約制の自治体では直前だと2〜3週間先まで埋まっています。

許可証の有効年月日を入れるだけで、いつ動き始めればいいかが分かります。入力した内容はどこにも送信されません。

更新期限を調べる(登録不要)

現場へ行く前に、その1件の利益が分かります

住所と廃棄物を入れると、燃料・高速・車両費・人件費・処分費を引いた手元に残る額を計算します。いくらで見積もればいいかも出ます。

現場利益シミュレーターを使ってみる →