リチウムイオン電池の見分け方|現場で3秒で判断する

車両・現場

前の記事で「入口で止めるしかない」と書きました。では、現場で何を見て判断するのか。

専門知識は要りません。判断の軸は1つだけです。

結論

「充電して繰り返し使うものか」。これだけで判断できます。

  • 充電する → 中にリチウムイオン電池が入っている可能性が高い。分ける
  • 使い切って捨てる乾電池 → 押しても燃えない。分けなくてよい

迷ったら分ける。外して困ることはありません。

マークで確かめる

電池本体や機器の裏に、小さく書かれています。

電池に書いてあるマーク
表示 意味
Li-ion リチウムイオン電池(単に「リチウム電池」と呼ばれることもある)
Li-Po リチウムポリマー。同じく危険
♻(スリーアローズ)+ Li-ion リサイクル対象の小型充電式電池であることを示すマーク

マークは電池本体の側面か、機器の裏側・電池を外した内側に印字されています。文字は非常に小さく、2〜3mm程度のことも多い。スマートフォンのカメラで拡大して見るのが現実的です。

ただし、マークが読めないほど古いもの、剥がれているものが現場では多いです。だから最初の「充電できるか」で判断するのが実用的です。

見るのは「充電するか」だけ

現場でよく出てくるもの

見落としやすい順に並べます。

機器 見落とす理由
ノートパソコン・タブレット 本体内蔵で外から見えない
コードレス掃除機・電動工具 「家電」「工具」として一括りにされる
加熱式たばこ 小さく、灰皿まわりに紛れる
ワイヤレスイヤホン・電動歯ブラシ 存在を意識されない
電動アシスト自転車のバッテリー 容量が桁違いに大きく、燃えると手に負えない
非常用ライト・防災ラジオ 事務所の防災用品から出る

事務所の引き出しを片付けた日が一番危ない、と覚えておくといいです。古いモバイルバッテリーはたいていそこにあります。

引き出しを片付けた日が危ない

膨らんでいる電池は別扱い

パンパンに膨らんだ電池は、それだけで危険な状態です。内部でガスが発生しています。

  • 押さない、刺さない、落とさない
  • 他の廃棄物と一緒にしない
  • できれば金属の容器に入れ、単独で置く

「膨らんでいるから壊れていて安全」ではありません。逆です。

現場ではこうなっている

排出事業者に悪気はありません。

「電池は分けてください」と伝えても、担当者の頭にあるのは乾電池です。モバイルバッテリーが電池だという認識が、そもそも無いことが多い。

だから言い方を変えます。

「充電して使うものは、全部この箱に入れてください」

これだと、ノートパソコンも電動工具も掃除機も入ります。判断させないのがコツです。判断を求めると、必ず漏れます。

あわせて頼むと効くのが、端子にテープを貼ってもらうことです。理由まで伝えると協力してもらいやすくなります。「金属に触れると火花が出るので」と一言添えるだけで、やってくれる確率が変わります。

<!– 現場メモ用:排出事業者への伝え方で効いた言い回し、失敗した言い方があればここへ –>

分けたあと、どこへ持っていくか

ここが実務の壁です。

事業活動から出たリチウムイオン電池は、産業廃棄物です。 家庭から出るものとは扱いが違い、家電量販店の回収ボックスや自治体の回収には出せません。

  • 受け入れ先が限られる。 事前に処分場へ「電池は受けられるか」を確認しておく
  • 「適正処理が困難」として断られることがある
  • 取扱品目に入っていなければ、事業範囲の変更許可が必要になる場合がある

日頃から受け入れ先を1つ押さえておくと、現場で困りません。断られてから探すと、荷物を抱えたまま動けなくなります。

よくある間違い

❌ 乾電池と同じ箱でいい
違います。混ぜると結局まとめて押されます。

❌ 家電量販店の回収に出せる
事業系は対象外のことがほとんどです。

❌ 小さいから大丈夫
ワイヤレスイヤホンの電池でも発火します。大きさは関係ありません。

壊れているから安全、ではない

まとめ

  • 判断の軸は「充電して繰り返し使うものか」だけ
  • 表示は Li-ion / Li-Po。読めないことも多いので過信しない
  • 膨らんだ電池は単独で、押さず刺さず落とさず
  • 排出事業者には「電池」ではなく「充電して使うもの全部」と伝える
  • 事業系は産廃。受け入れ先を先に押さえておく

発火の仕組みと起きたときの動き方はリチウムイオン電池が混ざると何が起きるかに、取扱品目を増やす手続きは積替保管なしの許可で一旦事務所に置くで触れています。

乾電池・鉛蓄電池も含めた全体像は産廃の電池は3種類で考えるに、保管のしかたは電池はどう保管するかにまとめています。

※制度は改正されることがあります。実際の申請前に管轄自治体の最新の要綱をご確認ください。

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