産業廃棄物業って儲かるの?|開業前に知っておきたいリアルな話
「産廃業者って儲かりそう」と思っていませんか?
独立・開業を考えているあなたは、こんなことを思っていないでしょうか。
「産業廃棄物って、どこの企業からも出るんだからニーズは安定しているはず」 「参入しにくそうな業界だから、許可さえ取れれば稼げる」
実は、それは半分正解で、半分は危険な思い込みです。
産業廃棄物処理業には確かに安定した需要がありますが、許可取得の壁が高い・法規制が厳しい・競合がすでに根を張っているという現実もあります。
このシリーズでは、産業廃棄物処理業として開業するために必要なことを、許可申請の手続きを中心に7回に分けてお伝えします。まずは業界の基礎から、一緒に押さえていきましょう。
そもそも「産業廃棄物」って何?(一般廃棄物との違い)
廃棄物には「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種類があります。
一般廃棄物は、家庭から出るゴミや、事業所から出る廃棄物のうち産業廃棄物以外のもの(オフィスの紙くずや生ゴミなど)です。収集・処分は市区町村または自治体が許可した業者が担います。
一方、産業廃棄物は事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で定められた20種類に該当するものです。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 燃え殻 | 石炭がら、重油燃焼灰 |
| 汚泥 | 工場排水処理汚泥、建設工事汚泥 |
| 廃油 | 廃润滑油、廃溶剤 |
| 廃プラスチック類 | 廃ビニール、廃発泡スチロール |
| 金属くず | 鉄くず、アルミくず |
| 瓦れき類 | コンクリートがら、アスファルトがら |
| 木くず | 建設端材、製材廃材 |
これらは排出した事業者が自ら処理するか、許可を受けた産業廃棄物業者に委託しなければなりません。つまり、あなたが許可を取れば、そのニーズを受け皿になれるわけです。
業の種類は2つ。まずここを理解してください
産業廃棄物を扱う事業は、大きく2つに分かれます。
1. 収集運搬業
排出事業者から廃棄物を引き取り、処分場まで運ぶ仕事です。
- 始めやすさ:車両と許可があれば参入できるため、比較的低コスト
- 注意点:積み込む都道府県と降ろす都道府県、それぞれに許可が必要
2. 処分業
収集された廃棄物を処理する仕事です。焼却・破砕・埋立などが主な業務です。
- 始めやすさ:処理施設の建設・維持に大きな投資が必要
- 注意点:施設基準が厳しく、設置前に別途許可が必要な場合もある
コラム:特別管理産業廃棄物に注意 廃油・廃石綿・感染性廃棄物など、特に危険性が高い廃棄物は「特別管理産業廃棄物」として区分されます。これを扱う場合は、通常の許可とは別の許可が必要です。いきなり飛び込むのは避けましょう。
開業のメリット・デメリット、正直に伝えます
メリット
- 安定した需要:事業者がいる限り廃棄物は出続ける
- 参入障壁が高い分、参入後は守られる:許可取得の手間があるから競合も増えにくい
- 収集運搬業なら低コストでスタートできる
デメリット・リスク
- 許可取得に時間がかかる:申請から許可まで最低でも3〜5か月
- 法規制が非常に厳しい:違反すれば行政処分・刑事罰の対象になりうる
- 開業後の書類管理が多い:マニフェスト(廃棄物管理票)の運用が義務
「許可が取れれば安泰」とは言いきれません。でも、しっかり準備して正しく運営すれば、長く続けられる事業です。
まとめ
- 産業廃棄物とは、事業活動から出る廃棄物のうち法定20種類に該当するもの
- 業の種類は「収集運搬業」と「処分業」の2つが基本
- 収集運搬業は比較的参入しやすいが、法規制の遵守は絶対条件
次回予告
第2回:必要な許可の種類を理解しよう|収集運搬と処分、どっちの許可が必要?
「どんな許可を、誰から取るのか」——意外と知らない許可の仕組みをわかりやすく解説します。

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