産業廃棄物業者として開業する方へ 第1回

2026年4月11日

産業廃棄物業って儲かるの?開業前に知っておきたいリアルな話

産業廃棄物処理業には安定した需要があります。ただし、許可取得の壁、法規制、既存業者との競争を知らないまま始めると、開業後に苦しくなることもあります。

リサイクル施設で廃棄物が分別されている様子

「産廃業者って儲かりそう」と思っていませんか?

独立・開業を考えている方は、こんなことを思っていないでしょうか。

産業廃棄物って、どこの企業からも出るんだからニーズは安定しているはず。

参入しにくそうな業界だから、許可さえ取れれば稼げる。

実は、それは半分正解で、半分は危険な思い込みです。

産業廃棄物処理業には確かに安定した需要がありますが、許可取得の壁が高いこと、法規制が厳しいこと、競合がすでに地域に根を張っていることも現実です。

このシリーズでは、産業廃棄物処理業として開業するために必要なことを、許可申請の手続きを中心に7回に分けてお伝えします。まずは業界の基礎から押さえていきましょう。

そもそも「産業廃棄物」って何?

廃棄物には大きく分けて、一般廃棄物産業廃棄物の2種類があります。

一般廃棄物は、家庭から出るゴミや、事業所から出る廃棄物のうち産業廃棄物以外のものです。収集や処分は、市区町村または自治体が許可した業者が担います。

一方、産業廃棄物は事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で定められた20種類に該当するものです。

種類 具体例
燃え殻 石炭がら、重油燃焼灰
汚泥 工場排水処理汚泥、建設工事汚泥
廃油 廃潤滑油、廃溶剤
廃プラスチック類 廃ビニール、廃発泡スチロール
金属くず 鉄くず、アルミくず
瓦れき類 コンクリートがら、アスファルトがら
木くず 建設端材、製材廃材

これらは排出した事業者が自ら処理するか、許可を受けた産業廃棄物業者に委託しなければなりません。つまり、許可を取れば、そのニーズの受け皿になれるということです。

業の種類は2つ。まずここを理解してください

産業廃棄物を扱う事業は、大きく2つに分かれます。

1. 収集運搬業

排出事業者から廃棄物を引き取り、処分場まで運ぶ仕事です。

  • 始めやすさ:車両と許可があれば参入しやすく、比較的低コストです。
  • 注意点:積み込む都道府県と降ろす都道府県、それぞれに許可が必要です。

2. 処分業

収集された廃棄物を焼却、破砕、埋立などの方法で処理する仕事です。

  • 始めやすさ:処理施設の建設や維持に大きな投資が必要です。
  • 注意点:施設基準が厳しく、設置前に別途許可が必要な場合もあります。

開業のメリット・デメリット、正直に伝えます

メリット

  • 事業者がいる限り廃棄物は出続けるため、需要が安定しやすい
  • 許可取得の手間がある分、参入後は一定の参入障壁に守られる
  • 収集運搬業なら、処分業に比べて低コストでスタートしやすい

デメリット・リスク

  • 申請から許可まで、最低でも3〜5か月ほどかかることがある
  • 法規制が非常に厳しく、違反すれば行政処分や刑事罰の対象になりうる
  • 開業後もマニフェスト、帳簿、契約書などの書類管理が欠かせない

「許可が取れれば安泰」とは言いきれません。でも、しっかり準備して正しく運営すれば、長く続けられる事業です。

まとめ

  • 産業廃棄物とは、事業活動から出る廃棄物のうち法定20種類に該当するものです。
  • 業の種類は「収集運搬業」と「処分業」の2つが基本です。
  • 収集運搬業は比較的参入しやすい一方、法規制の遵守は絶対条件です。

次回予告

必要な許可の種類を理解しよう

収集運搬と処分、どっちの許可が必要なのか。「どんな許可を、誰から取るのか」という意外と知らない許可の仕組みをわかりやすく解説します。

第2回の記事へ(準備中)

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